大手金融機関HSBCがリップル子会社と提携 セキュリティトークンのカストディを計画
大手金融機関るHSBCは、セキュリティトークンとしても呼ばれるトークン化証券のための機関投資家向けカストディプラットフォームを立ち上げる計画だ。
https://jp.cointelegraph.com/news/hsbc-ripple-metaco-security-token-custody
セキュリティトークンとは何か
セキュリティトークンは、ブロックチェーン技術を使用して発行されたデジタルな有価証券のことを指します。セキュリティトークンは、従来の有価証券に比べて流動性や分散性が高まるとされており、法令遵守や権利の証明といった特徴があります。セキュリティトークンは、投資家保護を図りながら資金調達のニーズに応える設計がなされており、金商法によって明確な基準が定められています。セキュリティトークンは、セキュリティ(有価証券)とトークン(ブロックチェーンを活用して発行されたデジタル資産)の組み合わせであり、投資家にとって安全で取引しやすい形態の資産と言えます。
セキュリティトークンの特徴
流動性と分散性の向上: セキュリティトークンはブロックチェーン技術を使用して発行されるため、従来の有価証券に比べて流動性と分散性が高まります。
法令遵守と権利の証明: セキュリティトークンは投資家保護を図りながら資金調達のニーズに応える設計がなされており、金商法によって明確な基準が定められています。また、ブロックチェーン上で取引が行われるため、権利の移転や記録が透明化されます。
安全性の向上: セキュリティトークンはブロックチェーン上で取引が行われるため、分散型の管理体制によって取引記録が改ざんされにくく、安全性が高いと言えます。
投資の選択肢の拡大: セキュリティトークンの登場により、従来の株式や債券に加えて、比較的少額からの投資が可能なさまざまな資産への投資が可能になります。
価値の裏付けと透明性の確保: セキュリティトークンは法令に遵守しており、価値の裏付けがあるという特徴があります。また、24時間いつでも誰でも取引が可能なため、取引の透明性が担保されます。
セキュリティトークンの投資リスク
市場リスク:セキュリティトークンの価格は需要と供給によって決まるため、市場の変動によって価格が上下する可能性があります。
流動性リスク:セキュリティトークンの流動性は、取引所の存在や投資家の関心に依存します。流動性が低い場合、トークンの売買が困難になる可能性があります。
法的リスク:セキュリティトークンは法的な規制に従って発行されるため、関連する法律や規制の変更によってリスクが生じる可能性があります。
信用リスク:セキュリティトークンの発行体が債務不履行や経営破綻などの問題を抱える場合、投資家にとっての信用リスクが生じます。
技術リスク:セキュリティトークンはブロックチェーン技術を利用して発行されるため、技術的な問題やセキュリティの脆弱性によってリスクが生じる可能性があります。
情報リスク:セキュリティトークンの投資には、正確な情報や適切な分析が必要です。情報の不足や誤った情報によってリスクが生じる可能性があります。
これらのリスクを考慮しながら、セキュリティトークンへの投資を検討することが重要です。投資家は自身のリスク許容度や投資目的に合わせて、適切な投資判断を行う必要があります。
セキュリティトークンを採用するメリット
セキュリティの向上: セキュリティトークンはブロックチェーン技術を使用しており、改ざんや不正アクセスが困難です。そのため、デジタルアセットの所有権や取引履歴を確実に保護することができます。
透明性と信頼性の向上: セキュリティトークンはブロックチェーン上でトランザクションが公開されるため、透明性と信頼性が高まります。これにより、投資家や取引参加者は正確な情報に基づいて意思決定を行うことができます。
流動性の向上: セキュリティトークンはデジタル形式であり、取引が容易に行えるため、流動性が高まります。これにより、資産の売買や流通が円滑に行われ、市場の活性化が期待できます。
新たな投資機会の創出: セキュリティトークンは従来の金融商品とは異なる特性を持っており、新たな投資機会を提供することができます。例えば、収益を分配するトークンや株券に近いトークンなどがあります。
効率的な資金調達の実現: セキュリティトークンを使用したトークンセール(STO)は、従来の株式公開(IPO)やクラウドファンディングよりも効率的な資金調達手段となり得ます。STOはより多くの投資家に対してオープンでアクセス可能な形式で行われるため、資金調達の幅が広がります。
セキュリティトークンを採用する際に注意すべき点
プライベート/コンソーシアム型のブロックチェーンを採用すること。
セキュリティトークンは、許可された参加者のみがネットワークにアクセスできるようにするため、集中管理型システムを採用することが重要です。
ブロックチェーン技術を利用することで、全ての取引履歴を共有し信頼性を確保することができます。
セキュリティトークンのメリットは、比較的少額からの投資が可能になることや、さまざまな資産への投資ができることです。
セキュリティトークンを使用していても、不正アクセスのリスクがあるため、マルウェアやフィッシングサイトに注意する必要があります。
金融機関がセキュリティトークンを採用している事例
三菱UFJ信託銀行主導のプラットフォーム「Progmat」は、セキュリティトークン、ステーブルコイン、ユーティリティトークンの発行から取引、管理までを提供しています。
一般社団法人Fintech協会の理事であり、日本セキュリティトークン協会の代表理事でもある増田剛氏は、組込型金融における本人確認に関するパネルディスカッションで登壇しました。
日本の金融商品取引法の改正により、セキュリティトークンは「電子記録移転権利」と規定され、金融機関での取り扱いが可能になりました。
これらの事例は、金融機関がセキュリティトークンを活用していることを示しています。セキュリティトークンは、分散台帳技術を活用した新たな金融商品であり、今後の金融業界の発展に注目されています。
セキュリティトークンを採用事例の種類
不動産を裏付資産とするセキュリティトークン
社債や信託受益権等の有価証券や権利のトークン化
株式のトークン化
ファンドのトークン化
その他の金融商品や権利のトークン化
補足
セキュリティトークンは、2019年5月31日に成立した「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」に基づく金商法の改正によって、法的に位置づけられました. この改正法では、「セキュリティトークン」を直接定義しているわけではなく、従来から規制対象であった有価証券のうち、ブロックチェーン技術を用いた「トークン」に表示される(すなわち「トークン化」された)権利を「電子記録移転権利」と定義し、その発行や取扱いに関する規定の整備を行ったものです. そのため、セキュリティトークンの金商法上の位置付けは、「電子記録移転権利」として位置付けられています. また、セキュリティトークンの実体法上の位置付けは、トークン化された権利の保有や移転を実体法上どのように捉えるかは、実体法の解釈の問題となります.